PPIとは?CPIとの違いを解説
生産者物価指数(PPI)とは、国内の生産者が商品やサービスに対して受け取る価格の平均的な変化を長期間にわたって記録した経済指標のことです。 アメリカでは、労働統計局(BLS)が毎月PPIを計算して発表しています。 この指数は、原材料から完成品まで、さまざまな生産段階で生産者が販売する商品やサービスの価格調査に基づいています。
PPIの内容とは
PPIは完成品指数、中間財指数、原材料指数の3つのサブ指数に分けられます。
- 完成品指数は、衣料品、家電製品、自動車など、最終消費者に販売される商品の価格変動を測定するものです。
- 中間財指数とは、木材、鉄鋼、化学品など、他の製品の生産に投入される商品の価格の変動を測定するものです。
- 原材料指数とは、ガス、石油、農産物など、原料の価格の変動を測定するものです。
経済学者、政策立案者、企業はPPIを利用してインフレを監視し、生産者物価の動向を分析し、将来の物価動向を予測します。 PPIの変動は金融市場にも影響を与えるもので、トレーダーは将来の金利変動の可能性や経済の強さを評価するためにPPIを利用します。
PPIによるインフレ予測
PPIは将来的なインフレを示す信頼度の高い指標です。 PPIは生産者レベルでの財・サービス価格の変動を測定するために使用されますが、これによって消費者価格に影響を与える生産コストの変動がわかるのです。 一般的に、PPIの上昇は生産者が原料や人件費に支払う価格が上がることを意味するので、消費者物価の上昇につながります。
しかし、PPIと消費者物価のインフレの関係は、必ずしも単純なものではありません。 消費の需要の変化など、他の要因も価格に影響を与えます。 さらに、PPIの変化と消費者物価の変化の間には時差がある可能性もあります。
つまり、PPIはCPIなどのほかの指標と組み合わせて使うのがベストです。 消費者物価の変動を直接測定することで、インフレの動向をよりしっかりと把握することができます。
インフレ測定におけるCPIとPPIの違いとは
CPI(消費者物価指数)とPPI(生産者物価指数)には、インフレを測定する上でいくつか違いがあります。
CPIは家計が購入する商品やサービスの価格の変動を追うのに対し、PPIは企業が販売する商品やサービスの価格の変動を追うものです。
CPIはふつう毎月発表されるもので、基準月の月末から約2週間後に発表されます。 同じように、PPIも毎月発表されていますが、基準月の月末から約10日後に発表されるため、こちらのほうが少し発表が早くなります。
CPIは、一般的な家計の消費習慣を反映した、特定の商品とサービスの価格変動を測定するものです。 他方、PPIは、原材料、人件費、エネルギー費など、生産に一般的に使用される製品やサービス全体の価格変動を測定します。
CPIとPPIは、製品やサービスの価格に対し、重さの割り振り方が違うのです。 CPIの家計支出の重要度に重きを置いており、PPIは生産の重要度に重きを置いています。
結論
生産者物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)はそれぞれ違う視点に立ったインフレを測る方法です。 CPIは消費者が商品やサービスに対して支払った価格を反映するため、より直接的な指標であるのに対し、PPIは生産者の視点からインフレ率を測定するものです。
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