テスラ株:2022年と2023年の展望
テスラ社(TSLA)は、世界で最も価値のある自動車メーカーに急成長し、近年最も話題になっている銘柄の一つです。 テスラは、電気自動車の販売好調と持続可能な交通手段への需要の高まりにより、ここ数年、株価が急騰しています。 しかし、2021年には、テスラは、多くの銘柄と同じように世界的な感染拡大とベアマーケットによって、価格が下落し、大きな困難に直面しました。 今回は、2022年のテスラの実績と、2023年のテスラに投資家が期待できそうなことは何か、について見ていきます。
2021年、テスラは感染拡大による景気後退で大きな打撃を受けました。 同社の電気自動車の販売は好調だったものの、投資家が感染拡大の影響で個人消費や電気自動車の需要に影響が出ることを懸念し、同社の株価は大きく下落しました。 これによって、テスラの株価は2021年初頭の1株あたり900ドル前後から同年半ばには650ドル前後まで大きく下落し、2022年初頭には102.0ドルにまで下落し続けました。
しかし、このような苦しい状況にもかかわらず、テスラはコスト削減策と生産工程の効率化を行うことで、2021年を通して収益を確保することができました。 また、電気自動車購入に対する政府の優遇措置や、パンデミック時のサステナブルな交通手段に対する需要増も追い風となりました。
2022年、テスラはこのような傾向に加え、ヨーロッパや中国での需要増加の恩恵を受け続けました。 また、ドイツとテキサス州に新工場を建設し、生産量を拡大する計画も発表しました。 この拡張により、テスラは自動車の生産台数を増やすと同時に、生産関連のコストを削減することができました。
テスラは2022年、過去最高の売上高と純利益を出し、記録的な年になりました。 2022年の最後の四半期だけでも、テスラの売上高は243億ドル、1株当たり利益は1.19ドルとなり、アナリストの予想を上回りました。 ウォールストリートが予想していた46億ドルの収益予想はわずかに下回ったにも関わらずです。
また、純利益は2021年の55億ドルに対し、2022年は141億ドルとなり、3年連続の黒字を達成したことを発表しました。 さらに、テスラは調整後の1株当たり利益(ドル)について、アナリストの予想を上回り、2022年第三四半期の予想の1.01ドルに対して、1.05ドルを計上しました。
このような素晴らしい業績は、世界中でテスラの製品とサービスに対する需要が高まっていることに加え、過去1年間に同社が実施した生産効率の向上とコスト削減の取り組みによってもたらされたものです。 このように、テスラは現在、世界で最も成功している企業の一角に名を連ねるるべく、顕著な成長を続けています。
テスラは2012年から納車台数を着実に増やしてきました。 Stastiaによると、2012年にテスラは22000車以上を納車しています。 2022年までに、その数字は130万台以上に成長しました。 上のチャートは2012年から2022年までのテスラの年間納車台数の成長を示しています。
CNBCによると、2022年の最後の四半期だけで、テスラは405,278台の納車と439,701台の生産台数を記録しています。 これにより、InsideEVsによると、テスラの2022年通年での実績は、納車数1,313,851台、生産数1,369,611台となりました。
Investing Academyによると、テスラは2022年1月から3月にかけて、売上高がコンセンサス予想の225億ドルに対して56%増の214億5000万ドルとなり、歴代最高の納入記録を更新しました。 Auto News Europeの予測によると、最後の四半期の世界出荷台数は420,760台に達する可能性があるということです。
Clean Technicaによると、テスラの全体の累積納入台数は320万台を突破しました。テスラは、すべての人にサステナブルな交通手段を提供するというミッションを掲げているため、この傾向は2023年以降も続きそうです。
2023年に向けて、投資家はテスラのさらなる成長を期待することができるでしょう。テスラは、世界的な電気自動車の需要の増加と、ガス自動車に変わる手段として電気自動車の購入を推進するために政府が出している補助金の恩恵を受け続けています。 さらに、より効率的な生産工程と、今年稼働する新工場による生産能力の向上により、投資家は今年のテスラの利益が昨年よりさらに増加すると予想し、時間の経過とともに株価がさらに上昇する可能性があります。
世界的な感染拡大と弱気相場という大きな課題に直面しながらも、テスラはこの期間を生き抜くだけではなく成功を収め、2023年以降のさらなる成功に向けた準備を整えることができました。 世界的な電気自動車の需要拡大、政府による電気自動車購入の推進、生産プロセスの改善による電気自動車生産コストの低減など、2023年以降も投資家がテスラに強気になることは間違いありません。
テクニカルな観点から見ると、テスラの弱気相場が終わる可能性を示すサインが複数あります。 決算発表直後、テスラは一株当たり180.70ドルまで大きく急騰し、1月の底値から65%以上上昇しました。 このような動きは持続する可能性が高く、トレーダーは今後数週間、世界市場の足を引っ張る地域政治による逆風がないか、注目する必要があるでしょう。